仕事を辞めずに介護を考える

介護で仕事をやめれば負担は増す。親が入院、介護を要するようになると、子は仕事を辞めなければサポートする時間を確保できないと考えがちです。しかし、辞めてしまえば、経済的に立ち行かなくなる可能性がある。パートで働く人の場合も、年間100万円の収入がなくなれば10年間で1000万円の損失です。自身の老後もすぐそこに見えており、いずれ介護が必要になれば金もかかります。また、仕事を辞めて介護に専念しても、通常、親の状態が好転するわけではありません。そんななかで介護一色の生活になると子のストレスは増し、「経済的」にはもちろん、「精神的」「肉体的」にも負担が増加します。仕事と介護を両立するために転職した場合、働き方や年収の面で厳しい現実が待っています。介護の為に正社員から転職した人のうち、転職先でも正社員で働いている人は、男性は3人に1人、女性は5人に1人。そして、転職前後の年収を比較すると、男性は転職前の平均が556万円に対し、転職後は342万円と約4割がダウン。女性は転職前の平均350万円が転職後は175万円と、半減しています。もちろん、様々な事情と考え方があり、必ずしも介護離職を否定するものではありませんが、決断は慎重にしましょう。