合計特殊出生率

厚生労働省が2021年の合計特殊出生率は1.30だったと発表した。合計特殊出生率は、1人の女性が生涯のうちに産む子供の数の平均をいう。15~49歳の女性が産んだ子供の数を、それぞれの年齢別の人口で割って合算する。1.5未満が「超少子化」とされ、1.3未満は更に深刻な区分になる。日本は終戦直後は4.0を超えていた。1947~1949年生まれの「団塊世代」が20代後半になった1975年に2.0を割り込み、低下傾向が続く。1995年に1.5を下回り、2005年には過去最低の1.26を記録した。近年は1.3台で推移する。人口を維持するには2.06~2.07が必要とされる。その背後には、結婚や出産に対する価値観の変化や子育て費用の増加などが要因として考えられる。少子化は将来の人口減に直結する。労働力や経済力の低下を招くだけでなく、現役世代が支える社会保障制度の維持が困難になり、社会全体の活力の低下が危惧される。